1338. Ushi-Oni in Hage

四万十市に仕事で行くようになって半年が過ぎたのですが、まあ兎に角、おもしろい土地柄です。北九州からだと、高速で瀬戸大橋を使っても佐賀関から三崎へフェリーで渡っても、大体所要9時間、お金も片道で1万7,8千円かかります。

現地で自転車に乗って調べ回ってると、妙なモノやコトに沢山出会うのですが、今回は四万十流域の妙なお祭り第一位、ハゲのウシオニを観る機会に恵まれました。
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禿げの潮煮、つまり、禿げを海水で煮こむ、というものではありません。
半家(はげ)という地区の天満宮の秋のお祭りに、牛鬼が登場します。普段は、胴体部分の竹で編んだかまぼこ型フレームが、天満宮の拝殿の中に置かれているのですが、お祭りになるとちゃんと立派な牛鬼になります。顔はちゃんと鬼です。
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以下、あまり言いたくないんですが、こういう、ロケーションまで含めたビジュアルな訴求力のあるお祭りになると必ず大量に出現するのが、平均年齢高めなカメラ小僧の集団です。僕も35年くらいの一眼レフ歴があるんですが、どこに行ってもカメラ小僧の人たちは昔から変わりません。祭り自体には余り興味がなさそうで、自分だけのアングルでワンショットでも自慢出来る写真が撮れればいいらしく、玉ぐしを奉納してる祭事の傍らで、祭事に尻を向けて祭りに参加している子供たちとかを追い掛けて写真撮りまくり。神様が渡る通り道の沈下橋も、1枚でも多く自分だけのショットを得る為に傍若無人に渡りまくりです。そしてすぐ大きな声を出す。多分こういうカメラ小僧の人たちは、普段地元の神社に参拝したときも参道のど真ん中を堂々と歩いちゃうんじゃないですかね・・・(汗
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てわけで、文化庁や教育委員会の文化的景観担当者がイチ押しなお祭り、ハゲのウシオニです。ウシオニがどうしても前夜まで覚えられなくて、オニウシですか、オシウニですか、ウオニシですか、と聞きまくって呆れられたワタクシがお伝えしました。ではごきげんようまた来年。
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# by sadepon | 2012-11-09 21:41

1337. dual slalom

最近はツーリングやガイドやラリーレイドばっかりで先を急がないMTBライドに専念していたのですが、山口のシガコージさんが十種ヶ峰WoodParkで運営頑張ると言うので、本当に久しぶりにレースに出場することにしました。ほぼ3年ぶり?2年ぶり?うーん。コグマカップ以来かな。あれ出たのはいつだっけ(笑

でもダウンヒルバイクは持っていないし、ダウンヒルやる日曜日は講演の仕事なので、土曜日のデュアルスラロームだけ出場です。この為にそりゃもう事前にばっちり、・・・全く練習なんかしません。

朝からえらくスリッピーな芝斜面で試走して1コケ。で予選は迷惑かけたくないので安全運転(転ぶと再計測。エリートの走りならみんな何度見ても楽しかろうが、下手な人が走るのは時間の無駄かと・・)。30人くらい出場して、予選タイムで速いグループと遅いグループに分かれて、トーナメントです。僕は勿論遅い方の組。赤と青の2つのコースがあるので、コースを交換して2回走って、トータルのタイム差で勝負です。試走で10回くらい走って予選1回、そのあと1回戦負けなので赤青2回走ってお終い。

・・・本当にそう思っていたんですが、現実はそうはなりませんでした。

1回戦で筑豊のMさんちの息子さんに大人げなく勝ってしまい大顰蹙です。ぅ-
でも2回戦は、同じちくほうの虎、Jのオープンクラスで優勝だってしちゃうサッキー氏だから勝負になりません。見ていた人間全員そう思ってました。そうですよね。
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Photo: あゆも

すいません、横を駆け抜けてくときバカワライしてるのをモロに撮られてました。。これでベスト4。
準決勝は地元バンキッシュのSくんで、赤青走って合計タイムが全く同じ。これで1/100でも速けりゃ決勝進出副賞お米5キロ決定!だったのですが運もここまで。Sくんに予選タイム差で敗退して、もうその時点でオサーンは疲労困ぱいでして。搬送の軽トラに乗るとき両足攣ってました。勿論、3位決定戦は全くお話になりません。

というわけで、走って転んで楽しく安全な芝のデュアルスラローム、無事に終了。試走でトレインで走って前走者がはじいた旗門ポールの顔面直撃を受けた人が約1名いましたが、大変でしたね本当にご愁傷様です。

十種ヶ峰WoodParkには初めて伺いましたが、とてもいい雰囲気で遊ばせてもらい楽しかった。九州で走ってるクロスカントリー系のライダーにも、こういう芝スラなら走っても見てても安全で楽しいから、もっと魅力を僕らが伝えて遊んでもらえるような流れになるといいんですが。で、ダウンヒルコースは全然見てないのですけど、試走で何人か転倒負傷してたので、やっぱり自分にはダウンヒルは難しいですね。会場では、久しぶりに岡山や広島のインストラクターとかガイドの人たちと沢山お話出来たし、言うことなしです。山口って、九州と中国地方をうまく重ねられる、非常にいいイベント立地なんだなと。これからも細々ながら応援していきたいと思います。
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# by sadepon | 2012-11-04 12:01

1336. test ride

レーサーじゃないので、ダブルクラウンのフォークとか200mmもあるようなリアサスのストロークとかは要らないし、0.1秒でも早く走る為に色々なことを我慢したりするつもりも無いのですが、やっぱり前後6インチくらいの気持ち良いフルサスバイクが無いと、こないだカナダに行ったときみたいにエライ目にあうので何とかしたいなあと。

筑紫野市に少し前に出来たバイクショップに面白い試乗車が入ったと言うので行ってみました。
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下り系とかフリーライド系ではこれまでまーーーったく存在感の無かったこのメーカー。
そこのお店のH店主は元世界選手権DH代表なので、ほんのちょっとだけ気難しくてあまえんぼ(おっと)なことを気にしなければ、ライドフィールの分析に関しては全面的に信頼出来るのですが、その彼が「コーナリング最高、ピボットから車体が折れる感じ。」とかいうので騙されたつもりで。

まずぱっと見、シートチューブにトンネルとか作ってリアのユニットを貫通させたりしていないのが好印象。(笑)

で、1時間くらい舗装路とか階段とか土手ドロップとかガレガレ激坂上りとか根っこバコバコSTとか走り回ってみました。激安完成車なので多少重かったりダルだったりはしたんですが‥

いやー。この1,2年、Gとか別のGとかTkとかSdとかBとかTnとか、前後7から6インチのバイクを日本とかカナダとかでいろいろ乗せてもらったけど、意外なことにこのMがいちばん動きのフィールが僕にとっては良かった。タイムが楽に速くなるかどうかはさっぱり分かりません。とにかく、バームで思いっきり寝かし込んで回しまくり切り返しまくりたくなるライドフィール。倒し込んだ急旋回で安定してるのでリアセンターは短くないように感じますが、体重移動で瞬時にフロントホイールをリフトできるような重心。切り返しの過渡的な挙動も速くてマイルド。サスペンションは前後ともリバウンド全開で乗りました。
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非常に複雑そうに見える実は単純なリンク。止まってぐいぐい体重をかけると、見た目に想像出来ないようなエロい動きをします。

DVD協賛してたりフリーライドのトップライダーが飛びまくってたり、MTBのメーカーやブランドの実績とかイメージって大事だと思いますが、やっぱ乗ってみないと分かんないな。という当たり前の結論。しかもH店長いわく同じメーカーでもこの機種のフィールだけ他のフルサスの機種と全然違うそうです。益々乗ってみないと分かんない訳ですよこりゃ。
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# by sadepon | 2012-10-29 22:49

1335. lost bros.

2012-13シーズンの九州レイド、開幕です。

2005年の10月の開幕ラリーに初参加してからまだ7年しか経っていません。その時は、たしか1分差くらいでELに引っかかって6番手くらいでした。ちっ。開幕ラリーには僕は大体なにひとついい思い出は無く、最終SCでトップだったのにそのあと道を間違えてハヤカワ君にひっくり返されたり、最後の峠越えに後続引き離して先頭で入ってるのに登る尾根間違えて最終PCに指定方向外進入やってなべでっちとシオゴンにかわされたり、モーやってられません。

そんなつらく悔しい地団駄踏むような思いを、自分以外にも色々な人に味わってもらいたくて、「ツーリングクラス」と言うカテゴリーのガイド・インストラクター役をしながら、初参加の人たちや不慣れなライダーが道に迷って困惑する悲喜こもごもを、そばについて見守りつづけています。間違っててもどこまでもそのまま着いて行って本人が降参するまで笑顔で見守っています。

今年の開幕ラリーはいつもと同じように古賀市のグリーンパークからデパール(=出発の意)。4人の予定だったけど女子が1名抜けて3人になったツーリングクラスを、前半は丁寧に説明解説しながらエスコート。途中から一人ずつ順に、先頭を走らせて地図読みやルートファインディングがどのくらい楽しめるか、チャレンジです。今回は中盤のループをショートカットしたので、ちょうど最終有人チェックポイントPC12の前の区間で、つぎつぎにトップグループのライダーが追い抜いて行くシーンに遭遇出来、たいへん勉強になりました。

で、PC12からお山ループとPC13をキャンセルして舗装路をリエゾンし、集落の神社手前からナビゲーションをツーリングクラス参加者にタッチ交代。池のほとりやや手前にあるPC14を取って集落に降りるまで、僅か500mそこそこのこの区間、ゆっくり歩けば10分かかりません。ノンストップできちんとルートを地図通りトレース出来れば、MTBなら3分から4分でしょう。
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はい。こんな場所は正規ルート上には無いです。
3人揃って、合議でどのように進行方向が決まるのか、じっと横にいて観察させていただきました。人間テンパるともう何を言い出すか分からないものです。
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相談中。こんなところには道は無いんですが、テンパってると道に見えるヤブの隙間があるらしいです。。

「迷ったら引き返そう」というのがこういったラリーレイドの基本なんですが、たったそれだけのことが実際にロストしてると実に困難。自分もそうでしたが。そしていざ正規ルートに入ってシングルトラックを下り出すと、目の前に丸見えなセルフチェックボードに誰一人として気付かないまま横を素通り爆走です。最終的に神社からの500mを突破するのに、約40分。お腹いっぱいになっていただきました。

大丈夫です。最初はみんなそんな経験からスタートしてるんですから。何しろ今回2番手だった野■さんなんて、初参加のわらべの森ラリーで・・・・いや、それは口が裂けても言えない。もはやアレは黒歴史ですから。絶対内緒ですうひひ。
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# by sadepon | 2012-10-28 17:40

1334. could be good

退職したあと、一人でトレイルバックスっていうのやってるんですけど、こないだ友達のデザイナーの人から、一体何をやってお金を稼いでいるのかビジネスモデルが皆目見当がつかない、というようなことを言われました。ええ、半年経ったんですがまったく儲かっていません。

儲かっていないかわりに、細々と結構楽しく暮らしています。例えば、某ショップのクラブのお客さんを相手に、気候のよい季節はツキイチで平日のMTBガイドツーリングを催行しています。大体自転車とかMTBのイベントとかって言うと、週末とか日曜日がほとんどで、学校がお休みな子供とかお仕事がお休みな奥様をほったらかしにして参加し、あとでフォローしたり文句言われたりと大変なことになるんですが、そういう人たちを相手に日曜日にツーリングを企画しても、他のイベントと競合するばかりか、夫婦にすきま風吹かせるのが関の山です。なので、

最初から、平日がお休みの(お休みをとれる)人だけに対象を絞ってツーリングをやる。

という、個人営業ならではの作戦に出ております。そもそも一人でガイドしてあげられる人数は5,6人が限度ですからね。
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この日は快晴です。このルート、いままで5回くらい通過していますがこの日が一番天気が良かった。

ガイドツーリングっていうと、ルートを引率しながらライドスキルとかを教えて、愉しく走る時間が長くて、途中でお茶飲んだりして、というイメージですが、僕は大してライドスキルも無いうえ、ライド途中でおもてなしするような荷物を背負えないほどヘタレだし、手伝ってくれるスタッフも全くいないので、かわりにあちこちで風景の説明をやります。植生とか、産業とか、地質地形とか、食文化とか、地元のライフスタイルとか、あまり詳し過ぎない歴史とか、そういう話。

対価としていまのところは最低限の事務的経費の8割くらいを参加者からの「道案内料」でいただくだけです。何の為にやってるのかって?
んーーー。いや、ほんっとに平日の昼間っからただ遊び回って温泉行って美味しいもの食べ歩きしてるだけなんです。ウケケ。そのうち干上がって飢え死にするかもしれませんねえ。ウケケ。
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# by sadepon | 2012-10-25 23:09

1333. beyond the cycling

土曜日に、自転車さんぽ・走ろう福津三十六景っていうサイクリングイベントがあったので出かけてきました。某団体の主催で、Jシリーズとかでコミッセールパネルやってる立派な方が説明とかしてました。ルールは簡単で、地図に示された26箇所(AからZね)に、それぞれクイズが設定されているので、それを訪ね歩いて現場で正解を探し、自分が答えた中から8箇所を選んで申請する、という内容。全員が提出した上で、いちばん正解提出人数が少ないクイズポイントを当てていることが出来れば、高得点でエライ、ということになります。40数名が参加してたみたい。

好きな順番でどこを回っても良いので、サイクリングなんですが、全員バラバラに走って行きます。人の後ろを付いて行っても、あまり得はしません。
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午前10時のスタート合図とともに会場はカオス状態に。ロードからミニベロ、MTB、電動アシストやBMX、何でも有り。

2時間半ちょっと前から、参加者がぼちぼち帰ってきます。この日は天気が良過ぎて暑くて大変だったみたい。自転車イベントで天気が良過ぎて文句言うと、罰が当たりますね。

クイズポイントは26箇所決められてるんだけど、現場に行かないと分からないこのクイズを一体誰がいつどうやって決めてるのか(探し出してるのか)、参加者から見ると謎でしょう。何しろ、クイズポイントの目の前に住んでいる住民でも、たいてい、クイズの正解は改めてそこに行かないと分からないのですから。
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ですが、ワタクシごときがクイズ製作者の立場を代弁しますとですね、クイズに沢山正解するとかって、実はどーでも良い訳です。一番大切なのは、クイズの正解を発見するために地図のポイントを訪れると、そこにはかけがえのない風景や情景が用意されてるということなんです。クイズくらい設定しないとわざわざ自分で行ったりしないようなところに、本当は地域の宝物があるのです。

ちなみに上の風景を見ている足下の地面に、クイズの正解(コンクリ板の枚数は5枚)があったりします。
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だから、まあもらえたら嬉しいんだろうけど、でも野菜とかお米とかたとえもらえなくっても、頑張ってたくさんのクイズ設定箇所を回ったら、すごくHAPPYな体験をしてるワケなんですよ。コンクリ板の枚数のクイズに正解するかどうかは、まあ割とどうでもいいんですね。勿論、見つけたいものを発見して採集(Get)するっていう、男の子ゴコロも大満足なことは否定しません。

そんなことを、ワタクシごときが想像するに、自転車さんぽっていうイベントのクイズ製作者は考えているんだろうと思いますはい。
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# by sadepon | 2012-10-23 21:18

1332. SORCA

そうか! と読みます。

FULL NELSONなど多くのトレイル網が建設されているスコアミッシュ。バンクーバーからMTBの聖地ウィスラーへ向かう人たちは、全員横(というかまっただ中)を素通りしていく訳で、最高に勿体無い状態。

ウィスラーのトレイルは言うまでもなく面白いのですが、標高の高いエリアを中心にかなり野性味に溢れていて、スキルや機材や体力の問題で、十分に楽しめないことがあるかもしれません。理由が何であれ、結果として苦しくて楽しめないのだと、折角カナダまでライドに行ったのにーー!てなことになってしまいます。それが原因でカップルなら破局、友達なら決裂、一人ならショボーン、ということにもなりまねません。

そうならない為にオススメなのがスコアミッシュです。なんか違うけど(笑
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自走で登ってきてた地元の中学生らしきライダーたち。平日の午後遅かったから放課後かな?この場所から、半径5分以内に10カ所くらい、色々なシングルトラックの入り口が有ります。

町の人たちだけじゃなくて、沢山の外部からのライダーを集める人気エリア。FULL NELSONはプロライダーが本気になれる一つの金看板ですが、それはもう数えきれないほどのトレイル網が、だいたい3つのエリアに分かれて斜面全体に張り付いているのです。そこを管理しているのがNPOのSORCA。スコアミッシュ・オフロードサイクリング・アソシエーション。
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数カ所のトレイル網のハブにはジープロードでアクセスできる駐車場が設けられていて、GPSデータ付きマップのほか、SORCAの広報看板が設置されています。

説教臭いことも書いてありますが、TRAIL PASSというのを購入するといいことがあるよ、買ってみてね、そしたらトレイルのメンテナンスにも使われてローカルなトレイルビルダーにもお金が払われるんだよ、paypalでもcreditcardでも携帯電話を使えばこの場で即決済OK!っていう話です。横にはQRコードの看板が。

つまり、ローカルなトレイルを守るお金はローカルだけがまかなうんじゃなく、来訪者で遊びにきた一見さんで満足した人でも、お布施的にその場で払うことができ、その手続きがきわめて簡単ということなのです。面白いやり方だと思いませんか。そして、ローカルトレイルビルダーを育成する為に、IMBA(国際マウンテンバイク協会)が派遣するトレイルビルド専門家が、現場に派遣されて無料で土方仕事の実習講習会を行ってくれたりするんだそうです。日本のJMA(日本マウンテンバイク協会)もIMBAの下部(協力?)組織の位置づけなのですが、さて。いや何も言うまい。

日本のぼくらも、安全で斜面や樹木にやさしい、美しいパンプやバームの作り方を勉強したいものです。上の写真の子どもたちも、近い将来そういう作業ができるようになっていくんでしょうね。
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# by sadepon | 2012-09-16 17:31

1331. Half & Full

スコアミッシュでいま一番輝いているトレイルと言えば、勿論"FULL NELSON"です。トレイルが固有名詞で示され呼ばれるようになったのは、カナダにおいてもいったいいつの頃からなのかは知りませんが、トレイルビルダーが名もなきボランティア精神に富む趣味人であった時代においてではなく、プロフェッショナルな職能がもたらす作品として意識されるようになった時代以降のこと、ではないかと僕は予想します。

FULL NELSONといえば、今年6月に全世界で発売になった映像作品"Strength in Numbers"のラストセクション、何人ものトレイルビルダーの肖像が紹介された直後の、ブランドン・セメナックがまだ固まりきっていないトレイルの土を蹴散らしながら疾走していくシーン。あれがFULL NELSON。勿論ジャンプもバックフリップも凄いんですが、僕が一番お気に入りなのは、左から右へとでかいバンクを猛烈なスピードでひねり込んで切り返していくシーンです。アレを見たい。いや、もちろん走るつもりでしたから、自分も走りたい。どれくらいブランドン・セメナックがMTBの超おばかさんなのか自分の中でハッキリさせたい。今回腰痛でライドはできない体でしたが、当日歩くまでには復活しましたので、下から全部歩いてコースをたどっていきました。

DVDの映像を見ていて僕は妙だと思っていました。左側に半分消えたところで切り返すんですが、その一瞬の時間の、タイミングのずれみたいなのが気になっていました。もっとスパーン!と切り返していくような走りにどうしてならないのかと。でも現場にたどり着いたらなにもかも分かりました。

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普通の靴では滑ってしまい、歩いて上り下りできないくらいの劇坂だったんです。あの切り返しは。高さも桁違いで、左に曲がるバンクに進入する入り口がビルの3階の窓、右に抜けていく出口が半地下駐車場、てな感じです。しかもバンクとバンクの間は、尖ったリップが尾根状になっています。ノーブレーキで全開でリップを越えていったらほとんど自由落下状態です。最初のバンクを最後まで使ってしまうと、リップではじかれて左下の画面外に吹き飛んでサヨーナラです。やっぱりブランドン・セメナックは超が100個付くくらいのおばかさんでした。

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それにしてもアースデザインが美しい。僕は20数年景観デザインの専門家をやってますので、古今東西の造園作品とか土木の切り土盛り土の法面土工とか歴史的建造物とかインスタレーションアートやランドアートとか、もう散々見慣れてる訳ですが、このトレイルの造形輪郭がびっくりするくらい感動的で秀逸なのです。ただ気持ちよく走れればそれで良いのではなく、土の造形とそこを走るライダーの動きの残像のようなものが自然の中に美しく昇華されて収まっている。参りました。

今年の5月に開通したこのFULL NELSON、実は3年前に、同じトレイルビルダーの手によるHALF NELSONが同じ斜面に作られています。入り口は正反対方向からですが、後半で合流する作りになっています。

作品というのは突然ひらめいて出現するようなものではなく、常に習作を重ねながらビルダー自身がビジョンを磨いていく中で、必然的に生まれてくるもの。FULL NELSONは、単なる単独の1本の美しく素晴らしいトレイルというだけにとどまらず、ブリティッシュコロンビアにおけるトレイルビルディングという文化と技術の結晶だと感じます。世界じゅうから走りにくるわけだわこりゃ。ドロップインの前には手を合わせて拝みましょうみなさん。そして思い切り駆け抜けましょう。
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# by sadepon | 2012-09-13 23:21

1330. Sumas Mountain

日本からカナダまでMTB走りに行く人の9割以上は、Whistler MTB Parkを目指すのだろうと思います。そりゃそうでしょう。毎年発売されるどのDVD見たって、Whistler MTB Parkでのライドシーンはかなりの確率で入ってますから。クランクワークスも夏に開催されますし、ダウンヒルレーサー、ダートジャンパー、フリーライドバイカー、誰にとってもWhistlerは夏のカナダでのMTB天国。宿も安いし。

でも本当は、そこら中天国なんです。Whistlerだけじゃなくて。Vancouverから車で1時間、南のUSAワシントン州との国境に面している里山?エリア。そこがSumas Mountain。標高900mのスーマス山山頂から麓の400m近いすそ野まで、斜面全体がMTBレクリエーションエリアとして網の目のようにMTBトレイルが整備されています。朝から夕方まで一日中走りまくっても走りきれません。

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身体の姿勢が硬く見えるのは丸3日半腰痛で横になっていたあとの復帰3分後だからかと。(笑)腰は曲げられないので身体を立てたまま上下の動きだけで走らせてます。

この日走った初級者用のトレイルは" Squid Line "と名付けられた全長5km以上の連続するフローなライン。すこし上り返し区間もありますが、基本ノーブレーキノーペダリングな上下のうねりとしっかりしたバンク切り返しが延々連続するトレイル。ゆっくり走れば超ラクチンでゆったり、早く走ろうとすると物凄くテクニカルで難しくなるレイアウトです。

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このエリアも他地域と同じように、FRASER VALLEY MOUNTAIN BIKERS ASSOCIATION (FVMBA)というNPO組織がトレイルを建設、管理しています。Whistlerのように、大々的な観光客=マウンテンバイカーの集客マシンとしてのMTBパークがある訳では無いので、かなりボランティアワークに頼っているようですが、それでもこのトレイル群の整備と維持で、他地域に対するマウンテンバイカー誘引の競争力向上を狙っているとのこと。沿道の飲食店の売り上げ増大も期待されているそうです。

スコアミッシュでのMTBトレイルの整備の方法についてはまた後のエントリーで書くことになりますが、とにかくブリティッシュコロンビア州の色々な町が、競って魅力的なMTBトレイルを作って観光振興の目玉にしているのが現在の偽らざる姿。トレイルビルダーと言うプロフェッショナルな職業が成立しているからこそできる政策だと言えます。Whistler MTB ParkとWORCAだけじゃあないんです。
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# by sadepon | 2012-09-11 21:32

1329. funride style

日本からカナダにライドに行って。何がいちばん違うのかと言われれば、僕ならタイヤのチョイスだと答えます。

腰を痛めて参加出来なかった日の午後のライドは、Whistlerでもカイバーパスと並んで最もWhistlerらしいオープントレイル、ガーガミルだったそうで。これに参加出来なかったのは痛恨事です。話と動画と写真で、参加した二人から散々自慢されました。

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どんどこロックだらけを下って走って行きます。こういうトレイルなら安心して楽しく走れますね。なにしろ、デコボコしてるだけでトレイルの路面がちゃんとつながっていますからね。

とはいえ、こんなトレイルを2.1とか2.2のサイズのクロスカントリー用タイヤで走ろうって人はかなりの挑戦者です。タイヤチョイスの正解は勿論、2.5サイズのスローコンパウンドタイヤ。タイヤのサイドが分厚くて丈夫なやつ。小柄で体重が軽ければ2.35でも何とかなるかもしれないけど、とにかく太いほど良いです。

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転んでる写真ですいませんnasyoRさん。この人はJのDHの元エキパで、4年通ってるMTBパークは上からテーブルもステップダウンも飛びまくりって人なのですが、トレイル用のレンタルバイクに付いていたタイヤがアレでして(笑 ご愁傷様です。

ガーガミルのオープントレイルですが、ここはクロスカントリーのレーストラックのループにも使われるそうなんです・・・。日本のJシリーズで使ったらどんなことになるんでしょうね。勿論ここは、NPOのWORCAが管理している公のトレイルで、誰でも自由に走ることができマップにも載っています。

このトレイルに入るのに、ジーブロードを登ったり、シングルトラックを押し上げたり、延々と自走しなくてはならないのですが、登りが楽だから2.1タイヤ、などという選択肢はそもそも最初っから存在しないのです。

面白いですよカナダのオープントレイルは。頭が空っぽになって自分が隅から隅まで試されます。来年は必ず雪辱しに行きます。待ってろガーガミル。
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# by sadepon | 2012-09-09 21:17